宿を続けてきた理由
お客様はあくまで「お客様」なのですが、
私たち迎える館主とその家族、スタッフは失礼ながらお客様に対してこんな気持ちを持っています。
「朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや。」
おなじみ様も初めてのお客様も、自らの家族や友人・親戚の帰郷と同じ。
あなたの家族や友達が遠くからやってくる。その時迎える人たちは美味しい料理と居心地の良い布団とちょうど良い温度のお風呂など、いろんなものを用意して全身全霊で歓待するでしょう。まさにそれ!です。
私たちは全てのお客様に「この宿での滞在を楽しんでもらいたい」そのためにできる限りのことをしたい。疲れた顔をして玄関を入ってきたお客様に、軽くなった身体とすっきりとした笑顔で帰って頂きたい。滞在中は100%お客様の味方でありたい。「私たちに何がしてあげられるか」を考えます。それが宿の仕事。24時間寝ても覚めても意識します。
私たちは対価としてお金を頂きます。ですがそれ以上に欲しいのは「お客様の満足感」です。「楽しんで頂けましたか?」「ゆっくり過ごせましたか?」とほとんどのお客様にお声掛けし、お返事を頂くことで明日への力が湧いてきます。これが宿屋の醍醐味です。
多くの旅館経営者は同じことを言うでしょう「お金だけ儲けたいなら、利益だけを追求するなら、宿の仕事は続けられない」。宿の仕事は自らの気持ちも尽してお客様を歓待することだからです。
私たちはお客様を守ります。夜間は特にお客様の命をお預かりしている意識が高い。お客様の笑顔が見られた朝は本当にホッとし毎日うれしく感じます。
当館でお客様が身体が軽くなったり、美味しかった楽しかったと思って頂くことが私たちの何よりの喜びです。素朴で不器用かも知れませんがその為に努めます。いつも喜びを下さってありがとうございます。