百日紅の夏

吉奈温泉には百日紅(さるすべり)が多いとうすうす感じていたのですが、これ程とは思いませんでした。
2010年8月は期せずして、吉奈温泉の旅館がついに1軒のみという夏になってしまいました。江戸時代は24軒の宿があったというのですから、724年の開湯以来1280年を越える歴史の中で初めての事です。今までに無く厳しい社会情勢、多様化するレジャーの中での旅行人口の減少など、いろんな理由があると思います。
そんな中いつもと同じ夏であり、いつもと違う夏でした。
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幾つかの建物は取り壊され新たに形作られてきましたが、これほどに空が大きく感じ、吉奈温泉の緑の美しさに心奪われた夏も初めてです。
そしていろんな場所に咲き乱れる百日紅。目を向けるポイントポイントごとにこんなにいっぱい植えられていたのかと、新たなる発見です。吉奈温泉の一号源泉「大湯」の周りには、ぐるりと百日紅が植えられていたのでした。
私たちの毎日も案外こんな感じなのかな。いろんな事が重なって、わーっと無くなってしまって初めて気づく、大きく開かれた青空と美しい緑と赤い花。歴史を重ねてきた先人の心遣いにも気づけました。
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開催が危ぶまれた「吉奈温泉夏まつり」も無事行われました。
なんだか今年はいつもより多くの人が吉奈温泉に集まったような?雰囲気もとてもアットホームで良かった気がします。工事現場の場所を借りての夏祭りだったし、場所変更も重なって大変だったと思うのに、小さな子供からお年寄りまで多くの年代が集まり、夏のひと時をお泊りのお客様とともに過ごしたようです。お客様にもとても良かったよとお声を頂きました。
もしかしたら「吉奈温泉の危機」が皆の結束を強くしたのかも知れませんね。年に一度、里帰りしてきた若者の成長ぶりを見たり、新しく住み着いた人と親しく挨拶したり。人生に欠かせない楽しみの一つです。吉奈温泉の年配の女性陣は仲居経験者ばかりなので、明るく話好きで、踊りも上手い方が大変多い。きっちりと浴衣を着て流れるように踊っておいでです。
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3軒だった旅館が2つも閉館し静かなムードになってしまっていた吉奈温泉ですが、「吉奈温泉夏まつり」を見ていて思いました。
地域を住みやすく活性化するには、そこを訪れる人にも同じように魅力がなくちゃダメだ。「観光」と「地域活性」を分けるべきという人がいましたが、そんなこと言ってる場合だろうか。土地の人と訪れる人を分け隔てて考えてるうちは、何も進まないし変えられない。
吉奈温泉は「温泉」が基本。それは土地の人だけではなく、求める人々に広く分けるもので、今までそうしてきた。その基本姿勢があるなら、おのずと答えは出ている。他にどうしろと?
議論している時間はない。人生なんてすぐ終わっちゃうんだから。
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