終わりではなく、新しい吉奈温泉の出発

おしらせです。

吉奈温泉は今まで3軒の宿でやってきましたが、先日11/24を持ちましてお隣の「東府屋旅館」さんが閉館となりました。
吉奈温泉1285年の長い歴史の中で、400年余の長い間、さか屋も東府屋もお互いがあるからがんばってやって参りました。片翼をもがれたような大きな喪失感を感じています。

現在の吉奈温泉は明かりがぐっと少なくなり、大変寂しい夜になっています。吉奈の人々もここ数日のこの光景に、かなりショックを受けられたのではないでしょうか。しかしこれは現実です。

今はやはりもう一度考えるべきだと思うのです。吉奈温泉は多くのお客様に支えられている「観光保養地」であるという事を。

女将も私もよく思うのですが、つらい時、悲しい時、苦しい時には、必ずお客様に救われました。時には吉奈の住人以上に「吉奈温泉を愛してくれる」多くのお客様が、私達の応援をして下さっているのです。もう私達だけの「吉奈温泉」ではないのでしょう。

私達はこれからも、この吉奈温泉を盛り上げるべく、努力をしなくてはなりません。住人のためだけではなく、吉奈を愛してくれる全てのお客様のために。もちろん吉奈の皆様の力を結集しないと、当館だけでは到底出来ない事です。

今回の出来事を「終わりではなく、新たな吉奈温泉の出発」として捉え、さらに皆様のお力添えを頂き一緒に努力したいと思っています。いつまでもこの素晴らしい環境と極上の温泉を守るために。
岡本太郎さんはよく言っていたそうです。
「吉奈温泉は素朴だから良いんだよ。押し付けがましくなく、近代化されていない昔のままの風景が良いんだ。それが人を癒すんだから。決して開発してはいけない。この土地をそのまま守りなさい」
この言葉が、今ほど切実に感じる事はありませんでした。出来るでしょうか。でもしなくてはなりません。守らなくてはなりません。
皆様方のお力添えをお願いしつつ、
これからもどうぞ吉奈温泉を見守って頂ける様、お願い申し上げます。