米高級ホテル、五つ星返上へ
ある方のブログで見つけた記事を読みました。
米高級ホテル、五つ星返上へ 宿泊料下げ優先(2009.8.29 09:13産経ニュース) ホテル業界で最も業績不振が目立つ高級ホテルチェーンが、苦労して手にした「星」を返上することを検討している。手元資金の確保が狙いだ。
メンツよりも実利を取ったシビアな選択が垣間見れますね。さっすがアメリカ。ばっさり感もすごいです。けっこう努力して手に入れた★だけど、お金がなくちゃ始まらないと言うわけ。まぁ、この★を維持するために過剰投資をして、会社が傾いてしまったら元も子もないのです。
これは日本における旅館とJ○Bアンケートの関係にそっくり。 J○Bのお客様だけに実施したアンケートに基づき、その中で高得点の宿だけをいわゆる「90点以上の宿」とする。そういう「J○Bだけに評判の良い旅館」を羅列し、ほぼそこだけを販売するのがJ○Bです。
このアンケートで高得点を取るため、無理な過剰投資を長期間に渡り強制せざるを得なくなった旅館が、ここ数年間に少なくとも二十軒以上消えていきました。何でここがダメになるの?と疑問の湧く、全部アンケート上位の宿です。
そもそもこのアンケートは「自分が支払う金額は関係なく、なんでもかんでも良ければ良いほどOK」という大変主観的なアンケートを客観化して、勝手に点数を付けるという失礼なシステム。これを施設に強制している事自体がおかしい。 おかしいと思う前にアンケート自体に振り回されて、(違う方向を模索するべく)自らを省みる機会を逸してしまった企業が、生き残れなくなっているのでしょう。
米高級ホテルはそれを回避する為に、★はお返しするんでしょう。いやーシビアです。というより健全な方向です。私だったらアイスペールが何で出来ていようと関係ないし、プールの温度を1度下げても大丈夫。「サービスが多少あっさりする事で、値段が下がるならホテル利用者は喜ぶのでは」と書かれています。そう、何よりホテル(企業)の存続が大事なのです。
この仕事は、お客様個々をおもてなしする仕事です。しかしお客様と直接関係のないところで、種類の違うお金が掛かっていることもあります。特に大きな企業はそこから抜け出せないことが多い。さっすが自由の国アメリカ、大きな企業でも軽やかな身のこなしです。このように、時には原点に戻る事も必要ですね。