「2008年12月」の記事一覧

源泉掛け流しの湯を守る・・・湯守の取り組み

吉奈温泉の一番の魅力はやはり温泉。
温泉は自然のものなので、その日の気温によって温度が変わります。肌寒い季節になると、当然温度が下がります。湯の温度が下がるというより、冷たい空気にさらされて温度が奪われてしまうのです。
当館の25代目湯守は専務なのですが、夜中12時が彼の仕事時間。毎晩一番最後に湯に浸かり温泉チェックをします。温泉のコシ(新鮮さ)とか温度とか、良い状態かどうかをいつも気にかけています。もともと加工せずそのままの温度で入浴できる温泉というのは、珍しいものなんですよ。それだけ温度は低くなりがちで、毎年冬季は悩み時でもあるのです。
もちろん一番カンタンな解決策は「循環・加温をすること」。でもそれをやったら温泉の価値ががた落ち。循環・加温をしない貴重な温泉を守るのが、彼のポリシーなのです。
貸切・酒樽の湯・入れ替え_0032.jpg
そのためウザイぐらいに相談されます。私もいろんな手を使って情報を仕入れます。ある時「湯の温度が低いとお客様から言われるが、限りある資源である源泉をいくらザバザバ入れても、表面積があるのでは40度〜39度以上上がりようがない。下がるからふたもやむをえず。いっそのこと冬季は露天風呂を閉めるか」と相談がありました。2006年の終わりのことです。
2006年の終わりに当館は初めて露天風呂客室を作りました。効率よく冬場の源泉温度を保つ為に「ふた」を作ろうと考え、いろんな宿の露天風呂付き客室のフタを見てきました。風呂じゃなくてフタです。
昨年「旅館同士のサイト」上でやはり冬場の露天の温度の話になって、よく一般家庭で使う銀色のお風呂シートの話になりました。あれは良いんだけど頻繁に使うと銀紙が取れてきて、湯船に大量に浮かぶという事態になる。コストを考えるとプチプチが一番良い、と知恵をもらいました。
そっかー、でもプチプチだけじゃ見栄えが悪いなあと思っていたら、なんと専務が手作りしてきたのです。すだれにホチキスとグルーガンでプチプチを止めた手作り風呂フタ!これは今広々露天風呂付き特別室の露天風呂に使っています。特別室は貴重な年代もののガラス戸なので、木でふたを作ってガラスを割りでもしたら大変、という配慮の上にそうなったようです。
いろんな試行錯誤の上にお客様をお迎えしています。湯の温度ひとつでもキープするのは大変…。
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