漆喰の芸術~こて絵の世界

いやー暑い日が続きますね。
外に出ると「じゅっ」って焼けちゃいそうなくらい。しばらく雨が降っていなかったので、今日の雷雨はありがたかったです。これで少しは畑が潤うといいのですが。

久しぶりの雨で思い出しました。下の写真は、うちの昔の屋根に描かれていた「こて絵」。屋根に見事な波と千鳥が描かれています。
漆喰こて絵.jpg
あまりに見事なので、出入りの写真家さんが撮ったらしいです。昔の左官職人は壁を仕上げる時に、このような漆喰絵を自分のこてで描きました。この漆喰絵で有名なのは西伊豆・松崎出身の入江長八です。

職人の遊び心で描かれた漆喰絵を、芸術までに高めたのが入江長八です。松崎にある「長八美術館」にはこてで描いたとは思えない、精巧な漆喰絵が残されています。美術館自体も漆喰芸術で作られており、左官職人の名人が集まり、協力して作り上げたそうです。

上の写真は鬼瓦の下に波が描かれています。屋根の位置に水を描くことで、火事になっても焼け落ちないように、魔除けのような意味合いで描かれたものと思われます。残念ながら昔の建物を壊した時に失われてしまいましたが、幸運にも写真には収められたという訳ですね。左官職人の粋を感じます。

もし修行に出るなら植木職人か左官職人になりたい私としては、非常に興味があるのです。実は資材屋さんのブログのファンでもあり、カリスマ左官職人の仕事とか、この素材を使うとこうなってとか、なかなか奥深い世界なのですよ(マニアかも)。皆さんもぜひ松崎の「長八美術館」に行ってみて下さい。

この波の漆喰絵のおかげで、暑く乾いた夏が、少しだけ和らいだ気分になりました。

松崎【長八美術館】